■守護神ガネーシャの霊験
今から2年前。不景気な出版業界を吹き飛ばすような
新刊が登場した。書籍名は「夢をかなえるゾウ」。
ぞぉと動物の象をひっかけたタイトルは、
人間のカラダに象の顔、象の鼻、そして四本の腕をもった
守護神ガネーシャが登場するからだ。
自称「神様」をなのる謎の生き物ガネーシャは関西弁で語り、
平凡なサラリーマンの主人公の指南役となって、人生を変えていく。
この本はヒットにヒットを重ね、なんと累計170万部が売れた。
自己啓発本はそれこそ星の数ほどあるが、半分ファンタジーでありながら、
「ぼくでも幸せになれるかも?」と思わせてくれるわかりいやすい内容で、
お仕着せ的なところは何ひとつない。
笑わせながら、知らぬ間に人と人の関係について深く考えさせられてしまうのだ。
なにせ登場するガネーシャは神でありながら関西弁で語り、
禁煙には何度も失敗し、人のものはちゃっかり使い、
機嫌を損ねるとすぐすねるなど、あまりにも俗化している。
そういう神が、「人の欲しがるものは先取りする」とか
「コンビニで募金」するなど、聞けば「えっ?」というような課題を
主人公にどんどん与えるわけだ。
しかし、それにまつわるエピソードとなると、
ロックフェラーやイチロー、そしてシェイクスピアなどの偉人で、
聞けば思わず納得してしまう。
さて、本の紹介はさておき、守護神ガネーシャは神の一つで
日本では歓喜天と呼ばれているが、
観光スポットで有名な屋台会館そばの「相応院(高野山真言宗)」には
そのガネーシャが祀ってあると聞き、訪れてみた。
本堂の左隣りの部屋へ上がらせてもらうと、
歓喜丸と称されるお菓子(形ははしをひねり、ザクロ形になっている)と、
お酒を前にしたガネーシャがいた。
この神様、新しい事業などを始める人や学生に人気があり、
除災厄除・財運向上・智慧などの役得があると言われる。
相応院では、守護神ガネーシャのお守りと歓喜丸のお菓子を
あわせて買い求めることができる。
○入場無料
写真/守護神ガネーシャの像