飛騨の細道 17 - 「町家の魅力。」


■町家の魅力。

高山といえば町家づくりの並びの美しさが挙げられるが、
飛騨びとの生活習慣や美意識とはうらはらに、
建築基準法や消防法なんかの関係で衰退にむかっている。

それでも一部では「町家」の美しさを再認識する人や、
住み継ぐことの文化的意義に共感する人が、
一人またひとりと増えているのが何ともうれしい話である。

その一例が『まちなみギャラリー』と銘打った研究発表。
高山の北に位置する大新町はかつては富山と高山を結ぶ越中街道で、
沿道沿いにはたくさんの職人が住み大きな商家もあった。
東京大学都市デザイン研究室の学生たちはこの越中街道の町並みに興味をもち、
いろいろな視点で町家づくりを研究したのだ。

研究発表の会場になっている宮地家もおなじく町家。
上がり框の前でおもむろに靴を脱ぎ、座敷きにあがってみた。
庭から射し込む日差しのなか、研究パネルをながめると
町家へむける彼らのまなざしは
どこか新しくて、そして懐かしかった。


まちなみギャラリー/宮地家にて2009年3月まで開催、入場無料(高山市大新町)