飛騨の細道 119-「花」 2011/3/20 飛騨の細道 ■花 春になると人の心はなごむ。 水はぬるみ、山河の姿もやさしくなるが、 その歩みは遅々として、思わせぶりである。 春の遅い山里に行くと、桜も桃も梅もリンゴ、 さらにはモクレンやこぶしまでいっしょくたくに咲き乱れ、 春はあけぼのの一瞬一瞬が過ぎ去るのが、 もったいほどだ。 そういえば庭先の花や朝市の花の色は、 どこかすがすがしく清らかだが、 空気が汚れた都会とちがい、 清浄で水も美しいからだろう。