■教えるスタンス
4年前、ミシュランのガイドブックに
「何がなんでも絶対行くべし!」という★★★を頂戴した飛騨高山。
そのせいか最近、観光地としてかなりコテコテ感がでてきた高山に、
あらたな道先き案内人が登場した。
その名も『まちかど案内人』。
行政が緊急雇用創出事業として考えたサービスである。
まちかど案内人は、中橋、かじ橋、布引き橋、三町など、
観光客でにぎわう文字どおり『まちかど』に立っている。
いでたちは生成り地に、闘鶏楽(高山祭りの行列に参加する鶏芸)の龍の意匠を
あしらったハッピをまとっているが、
老舗のシルバー観光ガイドのグリーン一色のハッピとくらべると、
一見して地味である。
それもそのはず。『まちかど案内人』は、
駅やバスの駐車場、そして施設の場所を教えることはできても、
観光ガイドのような正規の案内はできないのだ。
昔はおせっかい好きな飛騨人は、
観光客がウロウロしていようもんなら、めざとく見つけ、
「どこへいきんなさるんやな?」と、『案内人』を買ってでたが、
(そういう私も、観光客に尋ねられるとなぜかうれしかったな)
時代とともに飛騨びともクールになり、
「あえて聞いてくれば教えてあげる」というスタンスに
変わりつつある。
写真/ここをまっすぐ。そして右へ曲がれば陣屋です