飛騨の細道 130-「たおやかな美」 2011/8/25 飛騨の細道 ■たおやかな美。 高山を終いの住処としている私が、 「ああ、高山っていいな」と感じるのは、 些細な風景の一片に触れたときだ。 そうしたものは得てして繊細で、こわれやすいものなのだが、 生活のなかから垣間みる美は「粋」なのものである。 木板看板の漢字と朝顔。 これは箱屋である。 店名をあしらった玄関前の風鈴は料亭。 障子戸の端にあしらった鯛の藍染めは民芸店と、 いずれも簡素な暮らしの中に咲く、一輪ざしの花のような、 たおやかな美を醸し出している。