飛騨の細道 145-『伝統芸能の伝承』。その大義はさておき。


■『伝統芸能の伝承』。その大義はさておき。

うららかな春の陽がさしこむ境内で、
かれたちは、さきほどから何をしているのだろう?
見れば円を描きながら飛び跳ね、
拍子にあわせ、手にした木槌で鉦を叩いているのだ。

輪から取り残されたように佇む少年もいる。
どうも新米らしい。
しばらしくして、彼は中学生男子に肩をつかまれると、
社の方へ連れていかれた。

この画像は飛騨の祭礼には欠かせない民俗芸能のひとつ、
『闘鶏楽』の練習風景である。
祭礼には子どもが付き物で、
稚児や雅楽をはじめ、子ども神輿などが祭りを盛り上げる。

町の人にしてみれば『闘鶏楽』の練習や、
夜に聞こえてくる鉦の音はごくごく当たり前のこと。
しかしこの「ごくごく」というのは
じつはふつう一般ではできないことなんだと、
彼らを見て思った。

天満神社例祭/4月14日・15日(日枝神社と同日開催)


参加する天満神社の子どもたちは、例祭前日まで練習に明け暮れる。